親子間での不動産の贈与について、相続時精算課税制度の利用を提案

  Cさんから、息子さんに土地を贈与したいとのご相談をお受けしました。ところが、その土地の路線価などを調査してみると、その土地を一括で息子さんに贈与する場合、多額の贈与税がかかることが判明しました。

 そのため、相続時精算課税制度が利用できるかどうか、適用条件を確認したところ、利用は可能であることがわかりました。ただし、この制度は、将来Cさんが亡くなって相続が発生した場合、贈与した不動産の価額を遺産に戻して計算するのですが、その際には「相続時」ではなく「贈与時」の時価で計算するため、地価が下落傾向の土地の場合、相続税が余計にかかってしまう可能性があります。

 そこで、このことを説明したうえで、Cさんからだいたいの財産の額を聞き取りしたところ、現状では、将来の相続税のことはあまり心配がないようでした。そのため、不動産の贈与契約書を作成したうえで、所有権移転登記を申請しました。 

 その後、翌年の確定申告の時期に、Cさんから依頼を受けた当事務所の税理士が、相続時精算課税の申告を行いました。